【基本】バトニングとは?ナイフを使った薪割りのやり方とは
キャンプでは、焚き火やキャンプファイヤーをするために薪割りをすることがありますが、時には“バトニング”をしなければいけないケースもあります。
しかし、「バトニングって何?」「初めて聞いた…。」という方も多いはずです。
そこで、この記事ではバトニングの基礎知識や、バトニングのやり方について詳しく解説していきたいと思います。
バトニングに関する情報を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事のポイント】
・バトニングの基礎知識
・バトニングをするメリット
・初心者向け!バトニングのコツ
編集者
Shun Honke
■ mypace outdoor運営者
公務員を退職後、不動産、広告代理店で営業兼コンサルタントを経験したのち、独学でマーケティングを学び、ITベンチャー企業でマーケティング担当に。その後、フリーランスとなり、趣味であるキャンプ・サーフィン
をするために宮崎県に移住。株式会社OUTRIPを設立し、アウトドアブランド「mypace outdoor」を立ち上げる。
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バトニングとは?
そもそも、バトニングとは“ナイフを使って薪を細くする技術”のことをいいます。
ソロキャンプの焚き火やブッシュクラフトなどでよく使われる方法で、運動会などで行われるリレーのバトンが由来とされています。(バトニングでナイフを叩く木材をバトンと呼びます)
しかし、斧や鉈でも薪割りはできるのに、なぜバトニングが必要なのか疑問に思っている方も多いでしょう。
実際に薪割りをすると分かるのですが、すべての薪を斧や鉈だけで割れるとは限りません。
とくに、薪を細くする際には欠かせない技術と言っても過言ではないので、キャンプによく行く方は覚えておくと良いでしょう。
■ブッシュクラフトとは
ブッシュクラフトとは、アウトドアスタイルのひとつで「より自然を感じながら楽しむスタイル」のこと。
「ブッシュ=やぶ」「クラフト=工芸」で、合わせて「ブッシュクラフト=生活の知恵」という意味になり、よくサバイバルと混同されますが、サバイバルは「状態」を指し、ブッシュクラフトは「手段」を指します。
斧とは違う!ナイフでバトニングをする3つのメリット
薪割りでは、一般的に斧や鉈を使用しますが、ナイフで薪割りを行うバトニングにどのようなメリットがあるのか、お伝えしていきます。
バトニングの主なメリットはこちらの3つです。
➀力が要らないので女性でも簡単
➁焚き火台の大きさに合わせて調整できる
➂細い薪を安全に割れる
➀力が要らないので女性でも簡単
バトニングは、小型ナイフを使用するのでそこまで大きな力を必要としません。
一般的な薪割りでは、斧を振りかぶって振り下ろすといった作業が必要になるため、中々の重労働になりがちです。
しかし、バトニングは基本的に座りながら木材でトントンとナイフを叩くだけなので、女性でも比較的簡単にできるでしょう。
ただし、大きな薪をバトニングするのは難しいので、ある程度細い薪に限ります。
➁焚き火台の大きさに合わせて調整できる
大きな焚き火台なら市販の薪をそのまま使用することができますが、ソロキャンプ用の小さな焚き火台の場合そうはいきません。
手斧や鉈などで薪を少し小さくした後に、バトニングでさらに細くする必要があります。
また、フェザースティック用の細い薪を用意するなど、用途に合わせて薪の大きさを調整できるのもバトニングのメリットといえます。
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➂細い薪を安全に割れる
薪割り台の上にバランスよく立たないような細い薪を、手斧や鉈で割ろうとするのはとても危険な行為です。
しかし、バトニングならしっかり自立しないような細い薪であっても安全に割ることができるのでおすすめです。
とはいえ、本当にバランスの悪い薪はバトニングでも危ないので、十分注意するようにしましょう。
バトニングのやり方!ナイフで上手に薪を割るコツとは
ここからは、バトニングのやり方について、手順を解説します。
初めての方でも上手くできるように、バトニングする際のちょっとしたコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【STEP1】バトニングする薪を薪割り台の上に置く
まずは、バトニングする薪を薪割り台の上に置きます。
このとき、薪割り台に対して薪が垂直になっていることを確認してください。
適当に地面に薪を置いてやるのではなく、薪割り台などしっかりと固定できる場所で行いましょう。
また、バトニングをする際は安全のために作業用グローブをするのがベストです。
■ワンポイントアドバイス
・しっかりとした土台の上で行う
・作業用グローブをはめる
【STEP2】バトニングする位置にナイフの刃を入れる
次に、バトニングする位置にナイフの刃を入れます。
ポイントは、ナイフの根元付近を押し当て、上から押さえつけるイメージです。
この後、木材でナイフの先端を叩くので、先端が少し出るぐらいの位置にしましょう。
また、安全面を考慮して、ナイフの先端が自分に向かないようにしてください。
■ワンポイントアドバイス
・ナイフの先端を少し出す
・ナイフの刃が自分に向かないようにする
【STEP3】ナイフを固定させるため、木材で軽く叩く
次に、ナイフがしっかりと薪に食い込んで固定されるよう、木材(バトン)で軽くナイフの先端を叩きます。
2~3回叩き、ナイフが地面に対して平行になればOKです。
■ワンポイントアドバイス
・ナイフが地面と平行になるようにする
・ナイフが破損する恐れがあるので、叩くのは木材(バトン)
【STEP4】そのまま下まで叩き割る
その後は、そのまま木材でナイフのセ先端を叩いて、下まで行けば完了です。
前半は少し大きく叩き、後半は調整しながら優しく叩くのがポイントです。
■ワンポイントアドバイス
・力任せに叩くのではなく、木材(バトン)の重みを利用して叩く
・ナイフの先端が下がったり上がったりすると危険なので、ナイフは常に地面と並行を意識する
バトニングしやすい薪の見極め方
どんな薪でもバトニングできるわけではなく、バトニングに適した薪というのが存在します。
バトニングに適した薪の特徴は、主にこちらです。
・広葉樹よりも針葉樹
・節の少ないまっすぐな薪
・片手でつかめる程度の薪
広葉樹よりも針葉樹
バトニングに適しているのは、広葉樹よりも比較的柔らかい針葉樹になります。
針葉樹の薪は、主に「ヒノキ」や「スギ」などで、柔らかいためバトニングしやすく、広葉樹に比べて着火もしやすいので焚き火のスタートにおすすめです。
バトニングして、そのままフェザースティックも作りやすいので、バトニングする際は広葉樹ではなく針葉樹の薪を使用するようにしましょう。
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節の少ないまっすぐな薪
バトニングは薪の木目に沿って割るため小さな力でも割ることができますが、節のある薪は非常に硬く、キレイに割ることが難しくなります。
最悪の場合、ナイフが破損して危険なことになる可能性もあるので、バトニングする際はなるべく節のない木目がまっすぐな薪を選ぶようにしましょう。
片手で掴める程度の薪
すべての薪をバトニングできるわけではありません。
太すぎる薪はナイフが収まらないため、手斧や鉈を使うほうが割りやすくなります。
基本的に、バトニングには片手で掴めるサイズの薪がベストですが、使用するナイフの大きさによっては適した薪の大きさが変動する場合があります。
失敗しない!バトニングしやすいナイフの選び方
バトニングするならナイフ選びも重要なポイントです。
適当なナイフでバトニングすると危険なので、これからお伝えするポイントを抑えてナイフを選ぶようにしましょう。
ナイフの種類:シースナイフ
キャンプで使用されるナイフには、主に「シースナイフ」と「フォールディングナイフ」の2種類があります。
フォールディングナイフとは、いわゆる折り畳み式ナイフのことで、衝撃に耐えられない可能性があるためバトニングには向いていません。
バトニングをするなら一本構造のシースナイフを使うようにしましょう。
また、柄の方まで鋼材が入っているフルタング製法のナイフは、バトニングの際に安定感が増すのでおすすめです。
ナイフの形状:ドロップポイント
初心者の方がバトニング用のナイフを選ぶ際は、ドロップポイントと言われる形状のナイフがおすすめです。
ナイフには、切る・刺すを得意とする「クリップポイント」やサバイバルナイフに多い「ケーパー」などさまざまな形状があり、「ドロップポイント」は、切ることや皮を剥ぐことに適したナイフになります。
薪をまっすぐ割りやすいという特徴もあるので、バトニングに適したナイフといえます。
刃の素材:ステンレス
バトニングで重要になるのが「刃の素材」です。
おすすめは、サビにくくメンテナンスもラクなステンレス素材で、重量感もあるのでバトニングに最適です。
また、少し上級者向けですが、カーボン素材もバトニングに向いています。
カーボンは、ステンレスよりもサビやすいためメンテナンスが大変ですが、その分切れ味は抜群でバトニングのしやすさはステンレス以上です。
刃の厚み:2.5mm以上
バトニングでは、ナイフを薪に入れ叩いて割るため、ナイフの強度も重要になってきます。
刃が薄すぎるナイフは破損してしまう可能性があるので、刃の厚みは2.5mm以上を目安に選ぶようにしましょう。
刃の長さ:10cm以上
バトニングは飛び出したナイフの先端を叩いて割るものなので、ナイフが短いと割れる薪が限られてしまいます。
ナイフの刃の長さが10cm以上あればバトニングもしやすく使いやすいので、ナイフを選ぶ際の目安にしましょう。
まとめ
バトニングはナイフで薪を割る技術のことで、ソロキャンプやブッシュクラフトでは欠かせないものです。
しかし、バトニングはちゃんとした知識がないまま行うとケガをする恐れもあるので、やり方やポイントはしっかりと頭に入れて行うようにしましょう。
また、ナイフや薪の選び方など、この記事が少しでも参考になれば幸いです。