二次燃焼の仕組みとは?おすすめの焚き火台やデメリットについて
キャンプで使用する焚き火台を選ぶとき、「二次燃焼」の焚き火台を目にすることがあるでしょう。
二次燃焼はプチブームとなったのは少し前のことで、それ以降、各アウトドアブランドで二次燃焼の仕組みを取り入れた焚き火台が数多くリリースされました。
しかし、いまだに「なんとなく良いのかな?」というイメージで、二次燃焼の仕組みを理解していない方も多いはずです。
そこで、この記事では二次燃焼の仕組みや、二次燃焼のメリット・デメリットについて詳しく解説していきたいと思います。
これから焚き火台の購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事のポイント】
・二次燃焼の仕組み
・二次燃焼のメリット・デメリット
・二次燃焼の焚き火台
編集者
Shun Honke
■ mypace outdoor運営者
公務員を退職後、不動産、広告代理店で営業兼コンサルタントを経験したのち、独学でマーケティングを学び、ITベンチャー企業でマーケティング担当に。その後、フリーランスとなり、趣味であるキャンプ・サーフィン
をするために宮崎県に移住。株式会社OUTRIPを設立し、アウトドアブランド「mypace outdoor」を立ち上げる。
contents
今話題の二次燃焼の仕組みとは
二次燃焼の前に一般的な焚き火台では、熱された薪から発生する可燃ガスに火が付くこと薪が燃えるという仕組みです。
しかし、この時一部燃え切らない可燃ガスが煙となって発生します。
二次燃焼とは、この煙となった可燃ガス(未燃焼ガス)に高温の空気を吹き付けて再燃焼させることを言います。
二次燃焼焚き火台3つのメリット
二次燃焼の仕組みが分かっても、結局何が良いのか分からないですよね。
二次燃焼の仕組みを取り入れた焚き火台の主なメリットはこちらの3つです。
- 煙・灰が少ない
- 燃焼効率が良い
- 後片付けがラク
➀煙・灰が少ない
二次燃焼の大きなメリットは、一次燃焼で燃え切らなかった未燃焼ガスを再燃焼させるため、煙・灰が少ないことです。
一般的な焚き火台で焚き火をすると、多くの煙が出て服や周りのモノにニオイや煤(スス)が付着してしまいます。
しかし、二次燃焼の焚き火台なら発生する煙・灰が少なくなるので、ニオイや煤はもちろんですが周りに迷惑をかける心配もなくなるでしょう。
➁燃焼効率が良い
二次燃焼の焚き火台が焚き火好きから人気の理由は、燃焼効率にあります。
二次燃焼は二段階で燃焼を起こしているため燃焼効率が良く、“少ない薪で大きな炎”を発生させることが可能です。
焚き火が好きな方にとって、少量の薪で大きな炎を出せるのは夢のようなことです。
薪の組み方で燃焼効率を上げることもできますが、二次燃焼による燃焼効率は別格といえるでしょう。
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➂後片付けがラク
二次燃焼は、未燃焼ガスを再燃焼させ薪を完全燃焼させるため、燃え残りがほとんどなく、灰も少なくすみます。
そのため、焚き火終わりの後片付けがとてもラクなところも大きなメリットのひとつです。
一般的な焚き火台では、燃え残った薪(炭)に水をかけて鎮火させ、発生した灰を指定の場所に捨てるなどの後片付けがあります。
二次燃焼の焚き火台でも後片付けが必要なことに変わりはありませんが、手間なく処理できるのはとても魅力的といえます。
二次燃焼焚き火台のデメリット
二次燃焼は煙が少なく燃焼効率も良いというメリットがある一方で、デメリットもあるので頭に入れておきましょう。
二次燃焼のデメリットはこちらです。
- 薪の燃えるスピードが早い
- 通常の焚き火台より重い
- 火を育てるのが好きな人には物足りない
薪の燃えるスピードが早い
二次燃焼の焚き火台は燃焼効率が良いので、薪の燃え尽きるスピードが通常の焚き火台よりも早くなります。
いつも通り薪を準備しても、思ったよりも早く使いきってしまう可能性があるので注意が必要です。
焚き火の燃焼効率が良いというのは、言い換えると“燃費が悪い”ということ。
そのため、二次燃焼の焚き火台はゆっくりと焚き火を楽しみたいという方に向いていないといえます。
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通常の焚き火台より重い
二次燃焼の焚き火台は構造が少し特殊なので、通常の焚き火台よりも重量が重くなってしまうのがデメリットとしてあります。
また、通常の焚き火台は折り畳みができてコンパクトに収納することができますが、二次燃焼の焚き火台は小さく折りたたむことができず、かさばってしまうのがネックです。
そのため、荷物を少なくしたいソロキャンプや登山キャンプにはあまりおすすめとはいえません。
火を育てるのが好きな人には物足りない
二次燃焼の焚き火台は、火力が強く燃焼効率が良いのですぐに燃え尽きてしまいます。
そのため、煙や灰が少ないというメリットもありますが、焚き火を長くしっぽりと楽しみたい方には物足りなく感じてしまう可能性があります。
薪をたくさん準備すれば解決する話ですが、それにはお金がかかりますし、何より荷物にもなってしまいます。
ゆっくり火を育てて、長く焚き火を楽しみたい方には二次燃焼の焚き火台はあまりおすすめできません。
二次燃焼焚き火台を選ぶポイント
二次燃焼の焚き火台はさまざまなブランドからリリースされているので、ポイントを押さえて選ぶようにしましょう。
二次燃焼の焚き火台を選ぶポイントは、こちらです。
- 素材
- 組み立てやすさ
- 携帯性(持ち運びやすさ)
- 灰受け皿の有無
- 料理をする場合は焼き網・ゴトクの有無
素材
二次燃焼の焚き火台は、大きく「チタン製」と「ステンレス製」に分かれます。
どちらが良いというわけではなく、それぞれに特徴があるので、メリット・デメリットを把握したうえで自分に合った方を選びましょう。
●チタン製
チタン製は、耐久性に優れていて、何よりサビにくいことが特徴です。
また、チタン製は軽量で持ち運びにも便利なので、ソロキャンプや荷物の重量を減らしたい場合にもおすすめです。
しかし、ステンレス製よりも価格が高くなるので、コスパ重視で選ぶ方にはあまりおすすめできません。
●ステンレス製
ステンレス素材はキャンプ道具によく採用されているとおり、耐久性がありサビにくい荷が特徴です。
チタンほどの耐久性はありませんが、使っていると味が出てくるので、その過程を楽しむのもひとつです。
チタンよりも価格が安いので、比較的手を出しやすい素材ではありますが、チタンよりは少し重量が重くなるので注意しましょう。
組み立てやすさ
基本的に、二次燃焼の焚き火台は円筒型となっていますが、中にはネジで固定したりパーツを組み合わせたりするタイプがあります。
焚き火台の組み立てが複雑だと、使うのが面倒くさくなってしまうので、なるべく組み立てが簡単な焚き火台を選ぶようにしましょう。
携帯性(持ち運びやすさ)
焚き火台によって携帯性が異なるので、自分のキャンプスタイルに合わせたものを選ぶのがポイントです。
例えば、大きさ重視のファミリーキャンプでは携帯性は必要ありませんが、ソロキャンプはバイクツーリング、登山などで使用する場合は持ち運びやすさがとても重要になります。
重量はもちろんですが、折りたたんだ時の大きさや、リュックやコンテナに収納できるかどうかもチェックしておきましょう。
灰受け皿の有無
そもそも、二次燃焼の焚き火台は灰が少なくものですが、より後片付けをラクにするためには「灰受け皿」がある焚き火台を選びましょう。
灰受け皿があると、皿を取り出して灰を捨てるだけなので、面倒な撤収作業がとても簡単に終わります。
焚き火台の掃除やメンテナンスは意外と面倒なポイントなので、できれば灰受け皿がある焚き火台を選ぶのがおすすめです。
料理をする場合は焼き網・ゴトクの有無
二次燃焼の焚き火台は火力が強く、高火力を必要とする料理にはうってつけです。
二次燃焼の焚き火台を料理に使用する場合は、焼き網やゴトクの有無を確認しておきましょう。
ただし、二次燃焼の焚き火台は通常の料理にはあまり向いていないので、コンロやバーナーなどは必ず予備で持っていくことをおすすめします。
二次燃焼の焚き火台おすすめ6選!
ここでは、おすすめの二次燃焼焚き火台を6つ紹介していきます。
それぞれの特徴など、参考にしてみてください。
DOD:めちゃもえファイヤー
DODのめちゃもえファイヤーは、二次燃焼の炎を見て楽しむことができる焚き火台で、焚き火好きにはたまらないアイテムです。
市販の薪をくべやすい横長タイプで、40cmの薪がスッポリ入るサイズ感も魅力のひとつ。
また、付属されているスチールテーブルのおかげで地面との距離を保つことができ、環境への配慮も申し分ありません。
引き出し式のアッシュトレイ(灰受け)は後片付けがラクになるので、とても便利です。
難点を挙げるなら「少し重いこと」と「暖は取れないこと」です。
二次燃焼の構造上、重くなるのは仕方ありませんが、焚き火台の上部しか暖かくなく、暖を取るには少し物足りなさを感じるでしょう。
DOD:プチもえファイヤー
先ほど紹介した「めちゃもえファイヤー」のコンパクトVer.であるプチもえファイヤーは、サイズがコンパクトなのでソロキャンプなどにおすすめです。
国語辞書と同じぐらいのサイズで持ち運びには向いているのですが、サイズが小さい分、薪を小さくしないと入れることができず、少し面倒に感じるかもしれません。
使いやすいというよりは、本当に二次燃焼の炎を楽しむための物と思って使うのが良いでしょう。
持ってみた感じ、バイクツーリングに持っていくには少し嵩張(かさば)りそうかなと言った印象ですが、車で行くソロキャンプではとても重宝されそうです。
DOD:ぺらもえファイヤー
ぺらもえファイヤーは、「めちゃもえファイヤー」と「プチもえファイヤー」の良いとこ取りをしたような焚き火台で、ソロキャンプやバイクツーリングのお供におすすめです。
その名のとおり、ぺちゃんこに折りたたむことができるので収納には便利で、組み立ても慣れれば問題ありません。(初めは少してこずると思います…。)
二次燃焼の焚き火台特有の重さは少しありますが、この重さがあるからこその安定感と言っても過言ではないでしょう。
個人的には「めちゃもえファイヤー」のほうがおすすめですが、ぺらもえファイヤーも面白いので、興味がある方はチェックしてみてください。
Mt.SUMI:バッドボンファイヤー
着火材や薪ストーブなど中心に展開する“火のスペシャリスト”Mt.SUMIのバッドボンファイヤーは、つぼみをイメージした八角形の形状が特徴です。
40cmの薪がすんなり入る深型タイプなので、燃焼効率も高く初心者の方でも使いやすい焚き火台といえます。
折り畳み構造ながら二次燃焼をしっかり実現しているため、煙も少なく灰もほとんど残らない優れものです。
FEUERHAND:タイロピット
直径57cmの大型サイズで、グループキャンプやファミリーキャンプなどで使いやすいフュアーハンドのタイロピット。
見た目同様、豪快に燃えるので見ている分には楽しいのですが、ほかの二次燃焼焚き火台に比べて燃焼室が浅いためか少し煙たく感じることがあります。
また、サイズも大きいので、持ち運びや収納を考えると決して使いやすいとは言えません。
しかし、このビッグサイズで豪快に二次燃焼の焚き火を楽しめるのは、ロマンがあって魅力的なのは間違いないでしょう。
Solo Stove(ソロストーブ):レンジャー
Solo Stove(ソロストーブ)で人気の「ボンファイヤー」よりも小型で使いやすいタイプなのが「レンジャー」です。
直径38cmの程よいサイズ感は、ソロキャンプからグループキャンプまでさまざまな場面で使用できます。
二次燃焼の焚き火台としてはかなり優秀なのですが、ひとつ難点を挙げるなら「場所を取る」と言うことでしょう。
それさえ我慢できれば、とてもおすすめの焚き火台となっています。
まとめ
二次燃焼は最近注目を集めていますが、その仕組みを知らないことには始まりません。
まずは二次燃焼の仕組みを理解して、そのうえで購入するかどうか検討するようにしましょう。
私自身、二次燃焼は“焚き火をより楽しくしてくれるアイテム”だと思っています。
「焚き火の炎を眺めるのが好き」「大きな炎を見ながらのんびりと過ごしたい」
そう思っている方は、一度二次燃焼の焚き火台を試してみてください。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。